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JOTで臓器移植の勉強してきた!意思表示は家族を救う!

JOTで臓器移植の勉強してきた!意思表示は家族を救う!

この記事は2016年12月4日(VAD装着661日目)のリライト記事です

先日の話ですが、日本で臓器移植の斡旋を行う唯一の機関であり「日本臓器移植ネットワーク」へお伺いする機会がありました。頭にその時の気持ち残っているうちにレポート記事を書いたのですが、私の気持ちが揺れ動いていたこともあり少し時間が経ってからの公開となりました。

日本臓器移植ネットワークとは?

このページでは初めて「日本臓器移植ネットワーク」という言葉に触れる方がいることを想定し、日本臓器移植ネットワークとは何かを書いてみます。

公益社団法人 日本臓器移植ネットワークは、死後に臓器を提供したいという人(ドナー)やその家族の意思を活かし、臓器の移植を希望する人(レシピエント)に最善の方法で臓器が贈られるように橋渡しをする日本で唯一の組織です。

引用:日本臓器移植ネットワーク 基本理念より
https://www.jotnw.or.jp/about/credo/

日本臓器移植ネットワークは英語でJapan Organ Transplant Network、略称としてJOTと呼ばれています。私もこのJOTに心臓移植希望登録をして心臓移植を待っています。

JOTはどこにあるのか?

JOTは東京都港区にあります。VAD患者であっても天気が良ければ最寄り駅から徒歩で向かうこともできるほとの距離です。

当日は天気もよく、JR「田町」駅からカメラ片手に徒歩で向かいました。

首都高を通り過ぎるとぽつんとビルが現れます。この近辺は倉庫街なためひと際目立ちます。ビルの裏手からは遠くへ東京スカイツリーが見えます。VADを植え込んでからは海の近くに出かたことがないので、潮のツンとした匂いに少しなつかしさを感じました。

JOTを見学する心臓移植待機者

ビルのフロア案内をみて少し驚きました。私がイメージしていたJOTは「大きな組織」でしたが、実際にはビルの1フロアで収まっていました。

エレベーターを降りるとJOTの受付がありました、そこで私はこんなことを思いました。

移植待機者本人が来る場所ではないだろうなぁ

「これまでも移植待機者本人が見学に来られたことはあるのか?」
と質問してくればよかった。

日本の移植事情について問いかけるポスター

廊下に展示されたポスター
ただいま14年待ちです。

腎臓移植の平均待機期間は約14年7ヶ月。

いのちに関する権利だから、結婚より、選挙より、先に与えられる。

膵臓の移植希望登録者数は198名。(当時)

人口は2倍。臓器提供者数は80倍。アメリカ人と日本人の意識の差が、命の差を生んでいる。

肝臓の移植希望登録者数は401名。(当時)

助けるだけじゃない。助けられることもある。臓器提供は、命のシェアです。

心臓の移植希望登録者数は364名。(2014年当時)

日本の臓器移植について学ぶ勉強会

今回はとある心移植者の呼びかけによりJOTでの勉強会が開催されました。
講師はJOT職員2名、参加者は10名ほどでした。

  • 移植者
  • 移植待っていた方のご家族
  • 心移植待機者(VAD)とその家族など

約40スライドほどの資料をベースに勉強会が始まりました。資料の内容自体は既に知っていることが殆どでしたが、JOT職員が説明いただく内容では改めて気付かされる点が多くありました。

勉強会は1時間を予定されていたようですが、最終的に2.5倍の2時間半が過ぎました。なぜ、そんなにも時間をオーバーしたのだろうか?その理由はとても簡単です。私を含めてじっと話を聞いてられない人が多く、気になることを質問したくなるのです。それに対して意見の応酬。
皆さん、いい意味で臓器移植について真面目に向き合っていましたよ。その中で、特に印象に残った質問と回答を書き残しておきます。

本人の臓器提供の意思表示があり、家族のうち一人が提供に反対している場合はどうなる?

A.
臓器提供はされない

ではその「家族」という範囲はどこまでが入るのでしょうか?そのような点を追加で質問させていただきました。この点は少し熱を帯びた意見が飛び交いました。私が書くと誤解を招きそうなので、答えは割愛させていただきます。

脳死後の臓器提供には、本人の書面による意思表示と家族の承諾を必要とする厳格なルールでした。ここでいう「本人の書面による意思表示」は必須条件であるため、これがなれけば臓器提供はできませんでした。
しかし、2010年7月に改正臓器移植法が全面施行され、本人の意思が不明な場合にも、家族の承諾があれば脳死後の臓器提供ができることとなりました。つまり、本人が意思表示されていない場合、残された家族がその判断をしなければならないということです。

臓器提供の意思表示をしておくことも重要ですが、家族と一度でもいいので「自分が臓器提供についてどう考えているのか?」を伝えてみて欲しいものです。
日本の臓器提供件数の3/4が家族承諾とのことです。家族に判断をゆだねるのではなく、自分で意思を示していただきたい。
※臓器提供をしないと意思表示されている場合、家族が臓器提供を望んだとしても提供されることはありません。

JOTのWebサイトで臓器提供をされた男性のお子様の手記が掲載されています。
お父様を亡くされ、ご家族で話し合い臓器提供を決断したこと、亡くなったお父様への想いが綴られています。ひとりの時に一度読んでみてください。

正直なところ心臓移植を受けてよいのか悩むことがあります。しかし、私は自分から色々と知り、自分の頭で考えて、それでも移植を受けたいと思っています。
それが仲間の死であっても知り、自分でその気持ちを受け止めたい。それでも気持ちが揺らぐことはあります。しかし、最後は移植を受けたいという気持ちになります。きっと、これは移植を受けるその暇で続く葛藤なのでしょうね。

臓器の摘出は誰が執刀するのか?

A.
レシピエントの病院医師が執刀する

私はてっきり臓器提供者(ドナー)が現れた病院の医師が執刀するのかと思っていましたが、レシピエント側の病院で執刀チームが編成されてドナーのいる病院へ赴くとのことです。臓器摘出にかかる時間は臓器にもよるそうですが、~12時間とのことで葬儀自体への影響は殆どないそうで、傷跡は目立たぬようきれいに縫合されるそうです。
なお、この「時間」に関する質問は多いそうです。

ある方がこの時間を「看取りの時間」と仰っておりましたが、私もそのように思います。一昔前は臓器移植があると摘出された臓器がクーラーボックスに入れられ、搬送されている様子がテレビ中継されていました。ドナー側の病院の玄関には多くの報道陣が集まりマイクやカメラを向け、フラッシュ浴びせる、そのような光景でした。しかし、そこではドナー家族にとって大切な時間が流れていることを忘れてはなりません。

その他にもたくさんの質問や意見が飛び交いましたが、とても書ききれる自信がないので割愛します。

ミニVAD会?

外に出ると日はしっかりと沈み、お台場のキレイな夜景が広がっていました。

残ったメンバー(VAD3組、移植者1名)でご飯を食べにいくことになり、田町でお店探しをしました。

ここでも話がヒートアップしておりました…
私自身もすごく盛り上がっておりました。

医療者の方ですか?

途中から地元の常連らしきおじ様達が隣のテーブルに入ってきました。私達のヒートアップした声が響いていたようで「医療者の方ですか?」と話しかけられました。話を聞くと、その方の娘さんが我々が話をしていた某大学病院の看護師をやられているとのことでした。

皆で「こういう者です」とVADステッカーを見せると「へぇ~~!」という反応があり、そこから話が更に盛り上がりました。私たちがお店を出す際、グリーンリボンバッチとリーフレットを1セットお渡ししました。
少しは日本の移植医療の普及への貢献ができたのだろうか?

この記事の著者

Satoru Ishii
この補助人工心臓体験記の運営者です。
僕は拡張型心筋症で2015年2月にエバハートを埋め込み、心臓移植待機者になりました。
僕もいつかはVADを卒業する日が訪れます。(訪れました)
僕が成し遂げたいことは後継者を作ることではなく「当事者が声を上げていいんだよ」という雰囲気作りです。
これから先も地道に発信していきます。

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