補助人工心臓体験記

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VAD患者が移植に関する市民公開講座に参加してきました

VAD患者が移植に関する市民公開講座に参加してきました

先日、東京都の品川にて「第52回 日本移植学会総会 市民公開講座」が開かれました。僕も補助人工心臓エバハートをぶら下げて参加してきましたので、少しだけレポートしてみます。

子供の命を救おう

この記事は2016年10月2日(VAD装着598日目)のリライト記事です

僕がこの講座で学んだこと

講座では沢山の切り口から、我々がおかれている状況とこれから目指すべき方向などのお話などがありました。僕の知らないことだらけで途中で熱発しそうになりました・・・

沢山の方とお話ししてきました

小児の生体肝移植

小児生体肝移植の治療過程や、長期生着に向けての取り組みです。臓器移植後、どのような部分に着目し、拒絶反応が出た際にはどのように治療を進めるのかという話はとても興味深かったことを覚えています。
このお話の中で新たに「スプリット移植」という言葉を学びました。

心臓移植後の社会復帰

何をもってして社会復帰と定義するのかとう話もありますが、このお話の時に出た例として心臓移植を受けられた13名中、半年以内が6名、半年から1年が3名、1年から2年が4名という数字が出てきいました。この事実は喜んでよいものなのだろう。

そして、近年ではVAD装着後の復職や復学など支援により、移植待機中の就労率も14%から60%へ向上しているとのことです。

  • 具体的な支援の例
    • 職場従業員へのVAD取り扱いトレーニング・緊急時対応のレクチャー
    • 学校で「命の授業」の開催・先生へのVAD取り扱いトレーニング

とはいえ、復職や復学することが主たる目的にするのではなく、患者・家族の高いQOLを目指した治療を行うことが大前提とも言っておりました。その他にも30代で心臓移植を受けられた方からの講演もありました。

臓器提供可能な施設は限られている

すごく現実的な話もありました。
それは日本で臓器提供が可能な施設が限られているという話に繋がるのですが、なぜ対応施設(5類型に該当する施設)が少ないのか?増やせない要因はなんなのか?という医療サイドからのお話も聞くことができました。
難しすぎる話なので、ここでの掲載は割愛します。

厚労省がガイドライン上の5類型に該当する施設に行ったアンケートで、臓器提供施設として必要な体制を整えていると回答し、施設名を公表することについて承諾した施設は次の通りです。

展示コーナー

僕も興味を持っていたギネス世界記録挑戦イベント「musubu2016」に関する展示もされていました。開催場所が京都なので僕は参加できませんが、お近くの方は参加されてみてはいかがでしょうか?

臓器移植を受けられた方の写真も展示されていました。特に印象に残ったのは心臓移植を受けられた方がマラソンに参加している姿でした。水泳をされている姿も…
何よりも皆さんが輝いているように感じました。いつかは僕も加わることができるのだろうか?この写真たちを見て一人そんなことを考えていました。

ヒーロー つながるいのち

日本移植学会のサイトからアニメでみることができます。

まとめ 移植医療普及

僕は心臓移植待機者であり、臓器提供意思表示をしています。僕がどのような状況になろうとも、次に繋がるような世であって欲しいと願います。

皆さんはグリーンリボンというシンボルマークをご存じでしょうか?
グリーンリボンには移植医療普及という意味も込められています。

グリーンリボンは、世界的な移植医療のシンボルです。
グリーンは成長と新しいいのちを意味し、“Gift of life”(いのちの贈りもの)によって結ばれた臓器提供者(ドナー)と移植が必要な患者さん(レシピエント)のいのちのつながりを表現しています。

引用:グリーンリボンキャンペーン この取り組みについてより

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検定は下記サイトから無料で受けられます。
もちろん僕も受けていますよ。
合格するとピンバッジがプレゼントされるので、ぜひチャレンジしてみてくださいね。

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この記事の著者

Satoru Ishii
この補助人工心臓体験記の運営者です。
僕は拡張型心筋症で2015年2月にエバハートを埋め込み、心臓移植待機者になりました。
僕もいつかはVADを卒業する日が訪れます。(訪れました)
僕が成し遂げたいことは後継者を作ることではなく「当事者が声を上げていいんだよ」という雰囲気作りです。
これから先も地道に発信していきます。

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