私が持ち運ぶバッグには補助人工心臓のコントローラーが収納されています。
そのコントローラーには3つのバッテリーが接続されており、ケーブルで電力を送ることでポンプを駆動させています。
身の回りの電子機器はワイヤレスが主流な時代ですが、補助人工心臓は安全、信頼性抜群の有線接続なんですね。
この記事は2015年6月30日(VAD装着138日目)のリライト記事です
腹部を貫通するケーブルの周辺を貫通部と呼ぶ
実際にどんな風にケーブルが腹部を貫通しているのかは「点滴」をイメージしていただけれたよいかと思います。お腹にコネクタなどが存在するわけではなく、一指し指ほどの太さのケーブルがそのままお腹を貫通しています。その貫通している部分のことを「貫通部」「刺入部」と呼ばれています。ちなみにケーブルは「駆動ケーブル」「ドライブライン」と呼ばれています。
毎日行う貫通部の消毒処置
貫通部付近で菌などが大量発生すると感染という事態が発生します。それがケーブルを伝って体内まで菌が入ってしまうと更に大変なことに発展するそうです。そうならないように毎日の徹底した消毒処置と貫通部に負担がかからないようなケーブルの固定が必要となります。つまり補助人工心臓を付けて退院したら、基本は全てを自分自身で完結することが必要で疲れていても一日たりとも休むことはできない。
私は貫通部から15cmほど離れた場所にドライブラインを保持するアタッチメントを取り付けて、貫通部に負担がかからないようにしています。ただ、このアタッチメントは強力な粘着力があるのでその部分の皮膚がどうしてもかぶれやすい状況です。
強烈な快感、その先にある後悔
少しずつアタッチメントの貼り付けをずらして荒れた部分の皮膚を休めたりしますが、ケーブルを固定する角度や余長などの制約もあるので貼り付け位置をずらすにも限度があります。皮膚が黒くなりはじめて痒くて痛い。その皮膚を指で掻くと強烈な快感を伴う、一度指で掻いてしまうとその指の動きを制御することが困難になるほどだ。その先にあるのは痛みと更なる皮膚荒れという悪循環だ。
そんなことがあり病院へ固定方法やケアを相談したところアタッチメントの貼り付け位置を大幅に移動することになりました。やはりプロは固定バリエーションも豊富である、これで少しは荒れた部分の皮膚も回復するかな?
どうやら補助人工心臓(VAD)を植え込んでいる方(バド患者)にとって皮膚かぶれとの闘いは宿命のようです。
あぁ、痒い
やっぱり辛い
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