補助人工心臓体験記

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【ゴルフはできる?】補助人工心臓とスポーツの上手な付き合い方

【ゴルフはできる?】補助人工心臓とスポーツの上手な付き合い方

僕がゴルフをはじめたきっかけは、当時勤めていた会社上司のすすめであって2012年くらいだったと記憶しています。
平日は夜遅くまで仕事をしていたので、金曜日の深夜に打ちっ放しに行って練習していました。白いボールは魔球のように左右に大きく曲がりましたが、たまにいい当たりがあるとすごく爽快な気分になったことを今でも覚えています。

VAD患者にゴルフ好きは多い?

先日は海外メジャー「マスターズ」で松山英樹が日本勢として初制覇しました。何と日本でのテレビ視聴率は17.7%だったとのことです!
そのニュースもあって昨夜の井戸バド会議ではゴルフの話題で盛り上がりました。
「ゴルフクラブを手放しました」とか「移植が終わったらみんなで行こうか?」そんな話もありましたね。

ゴルフ上達と刺入部消毒に共通すること

僕は過去のブログ記事でも打ちっぱなしに行ったことを書いていましたが、その後も妻に何度か「連れて行ってもらい」ました。マスターズで優勝した松山英樹から分かるとおり、ゴルフの成果は研究と実践の量に裏付けされていると感じます。

ゴルフの上達

僕がゴルフをはじめた当初、「なぜ空振りしてしまうのか?」という問題に遭遇しました。
この問題を解決するために僕がやったことは「本」を読むことでした。それ以外にもゴルフサイトやYouTube動画を参考にしたり、レッスンプロにアドバイスを求めたこともありました。

いつしか僕は自身のスイングをスマホで録画して、僕なりに分析するようになっていました。
この研究と実践を繰り返し行うことで、空振りしなくなりました。
それは僕にとっては大きな前進でした!
次に「前に飛ばす」という分厚い壁にぶち当たったのですが…

消毒処置の上達

VAD患者は医師・看護師にドライブライン刺入部の消毒処置の基礎技術を教わります。
退院したら自身で刺入部を分析し、消毒というアプローチをします。回数を重ねて消毒処置を自分のものに出来ているのではないでしょうか。これら過程はゴルフの上達過程とも似ていませんか?

ゴルフも消毒処置も経験が大切

きっとゴルフも自己消毒もはじめから得意な人はいないんですよ。「こうやったら前回より良くなった(悪くなった)」、工夫しながら経験を積み重ねることで安定した成績を残せるのだと思います。
昨夜の井戸バド会議を振り返って意外な共通点が発見できました。

僕がゴルフを再開するにあたって実践したこと

ドライブラインを引っ掛けないための工夫

これは僕がエバハートをつけて退院した頃の話です。
当時、僕は2014年に発行された「植込型補助人工心臓治療ガイドライン」を熟読していました。その中では運動(スポーツ)の必要性が記載されていたともに、具体例も書かれていました。
それを通院時の診察で主治医に相談し、どこまで運動してよいのかを話した記憶があります。
その時に確認したスポーツがボウリングとゴルフでした。

継続した運動は心肺機能を高めるうえでも重要であり,可能な範囲での活動拡大は推奨される.ただし,相手との接触の多いスポーツ(バスケットボール,ラグビーなど)は,機器の故障や出血の危険性が考えられるため避ける必要がある。また,運動強度を強める場合には担当医に相談する必要がある。

引用元:重症心不全に対する植込型補助人工心臓治療ガイドライン(2014)

各人の身体状況やスポーツ経験などを考慮して主治医が判断するものであって、僕はVAD患者誰しもがゴルフをやっていい状況にあるわけではないと理解しています。
例えばゴルフを全くやったことのない人が、VAD装着後にゴルフ練習をはじめるのは少し無茶な気がします。
僕もはじめはアイアンのみ、身体をひねらない(ハーフスイング限定)、1カゴのみという制限から始めました。

なお、先月公開された2021年度版のガイドラインではより具体的な内容が書かれていました。ただし、VAD患者のスポーツはあくまで担当医と相談してから始めることがよいでしょう。

継続した運動は心肺機能を高めるうえでも重要であり,可能な範囲での活動拡大は推奨される.ただし,ドライブライン皮膚貫通部の悪化,機器の損傷や出血の危険性があるスポーツ(バスケットボール,ラグビー,テニス,バドミントンなど)や,機器を浸水させる可能性のあるスポーツ
は避ける必要がある。また,運動強度を強める場合には担当医に相談する必要がある。

引用元:重症心不全に対する植込型補助人工心臓治療ガイドライン(2014)

今はできないけど
やっぱりゴルフがしたいです!

この記事の著者

Satoru Ishii
この補助人工心臓体験記の運営者です。
僕は拡張型心筋症で2015年2月にエバハートを埋め込み、心臓移植待機者になりました。
僕もいつかはVADを卒業する日が訪れます。(訪れました)
僕が成し遂げたいことは後継者を作ることではなく「当事者が声を上げていいんだよ」という雰囲気作りです。
これから先も地道に発信していきます。

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