補助人工心臓体験記

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ラーメン屋でのひとコマ

ラーメン屋でのひとコマ

ふらっと立ち寄った赤味噌系のラーメン店での、ちょっとした出来事を書いてみようと思います。単なる日常の一コマですが、こういう「ちょっとしたこと」がLVAD装着から4年が過ぎようとしていた心臓移植前の僕にとっては大きな関心を持っていたりしました。

心臓移植後5年目

その日訪れたのは、そこそこ名前の知られた赤味噌系ラーメン店。以前からその存在は知っていましたが今回が初めて訪問で、僕はカウンター席に案内されました。店内はちょうど夕食どきで、少しにぎやかな空気が心地よく、ひとまず着席。バッグから携帯用のアルコール除菌シートを取り出して手を拭いていると、ホールスタッフの方が水の入ったピッチャーとコップをカウンターに置いてくれました。

最近はセルフサービスの店も多いなか、こうして席まで水を届けてくれるお店もまだまだあります。ただ、そのピッチャーを見て「ここはこのスタイルか〜」と思ってしまいした。

透明なピッチャーの中には大量に入った氷と水。さらに輪切りのレモンが一枚入っていて見た目はとても涼しげで、30歳頃の僕であったのならちょっと嬉しくなるところ。しかし、年齢を重ね心臓移植後に免疫抑制剤を服薬している今の僕にとっては、いろいろと気になる要素が詰まっている組み合わせでもありました。

たとえば、そのピッチャー自体はどれくらいの頻度で洗われているのだろう?中の水はいつ入れたものだろう?製氷機は定期的にきちんと清掃されている?輪切りのレモンは洗ってあるかもしれないけど、果皮ごとなので雑菌が……と、僕の頭の中でチェックリストが次々と浮かんでしまいます。普段はそんなに細かくない僕でも、こういうところでは今でも神経質になってしまうものです。


僕は移植後しばらくの間、外食時に提供された飲料を一切口にしませんでした。特にピッチャーで提供されるタイプのものには、今でもちょっと。清掃などオペレーションが比較的きちんとしている大きなチェーンの飲食店などはある程度安心できますが…
もちろん、すべてが危ないわけではないと分かってはいるのですが「万が一」が怖くてね。ネギとか煮卵とか…
「とある人」から見たら、ラーメンを食している時点で気をつけるべき観点がズレていると指摘されそうですけど🙏

この日も水には手をつけずにラーメンを食べ終えました。お店を出たところでバッグに入れていたペットボトルの麦茶を飲み喉を潤しました。これは僕個人の体験と考え方であり、すべての移植待機者や移植経験者に当てはまるものではありません。

でも、こういう何気ないことこそが、心臓移植の機会がそう遠くないと理解した当時の僕が欲していた体験談だったりしました。ということで、心臓移植を受けたおじさんがラーメンを食べることの良し悪しは別として、このような他愛もない体験談が誰かの勇気になれたのなら嬉しい限りです。これからも日常のひとコマから見えてくるものも、少しずつ書き残していけたらと思っています。


この記事は、僕個人の体験に基づいており、医学的な判断を代替するものではありません。衛生管理や食事の方針については、主治医や移植医療チームの指示に従ってください。
参照:日本移植学会Q&A(心臓移植)

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