夜中に急に起こされた。
「寝てたのにごめん。こっち来て」
連れられていったのは、リビング。
あそこに、いてん。
探していたけど、いません。
「どっかいったんちゃう?」
「探してっ」
渡された殺虫剤で、いそうな隙間に噴霧した。
「出てこえへんなあ」
「いてん。ホントにいてん」
「まあ、いたら、出てくるから」
しばらくしてると、こそこそと近くから音が聞こえてきます。
「出てきたわ」
ということで、処理しました。
落ち着いた雰囲気になったとき
真剣な顔をして、
「生きててや、
絶対生きててや」
緩和ケアかVAD装着して心臓移植を待つかのドクターからの話のときも、ここまで真剣な顔で言われたことがなかったような気がしました。
そこまで、思ってたんだと心が熱くなりかけたとき
続いて出てきた言葉は、
「ゴキブリ退治してもらわな、あかんから」
VAD装着しても、こんな生活しています。
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