補助人工心臓体験記

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【開催レポート】第三回 誰でもVAD交流会

ワークショップ「欲とは?」

またまた雑談で盛り上がったところで、最後のワークショップを入れました。
キーワードは「欲」です。
しかし、このワークショップの狙いは別のところにあったりします。

人間の三大欲求は?

何かを「教える」というワークではなく、各自の闘病生活やその関わりを振り返ってもらうために用意しました。

ご自身が考える三大欲求を文字にして書き出していただきましたが、3つに絞り切れない様子の方もいらっしゃいました。
私自身は参加せずに少し離れたところから写真を撮っていました。
このワークも何が正しいかを問うものではなく、「欲」というワードに興味を向けてもらうことが目的でした。

闘病中の欲を書き出してみよう

このワークでは時間軸を書いた用紙と付箋紙を配布しました。

  • 大ルール
    • 闘病中の欲求を完結に付箋紙に書き出す
    • 付箋紙を用紙へ貼りつける
  • 小ルール
    • 左側を闘病開始時とする
    • 右側を現在とする
    • 大きなイベント(VADや移植手術)がある場合には、そのイベントを中央に配置する。
    • 一つの時間の区切りで複数の欲求があった場合は、その中で一番強かったと思う欲求を書き出す。
    • カンニングOK

マズローの欲求5段階説に当てはめる

ホワイトボードを使ってアメリカの心理学者マズローの欲求5段階説についてお伝えさせていただきました。
詳細はWikipediaの自己実現論を参照ください。

参加者に配布した自作資料

ホワイトボードへブランクのピラミッドを書き、一人ずつ当時の状況を説明しながら付箋紙を貼りつけてもらいました。
※横方向は時間軸として設定していました。

貼り付ける場所に悩んでいる時は横から少しだけ意見をさせていただきましたが、みんなであーだこーだ言いながら並べ替えたり追加したりと付箋紙が増えていきました。
自身の意見を主張したり、受け入れたりする過程こそがこのワークの狙いでした。

欲求を書き出した結果

ちょっと失敗しました。

  • 参加者の立場で付箋紙の色を使い分けるべきだった。
  • 患者本人、介助者など立場毎のグループワークとすべきだった。
  • 時間にゆとりを持つべきだった。

これらの反省点は次回以降に生かしたいと思います。
最後に再び雑談タイムです。

何が正解か?

ピラミッドに貼りつけた付箋紙はV字もしくは右肩上がりの形になるだろうと予測していましたが、グループワークとしなかったため結果は違うものになりました。
このワークには正解を用意しておりません。
ご自身の闘病生活を振り返り、欲を書き出して整理する。それらを共有することで自己理解を深めることができたのなら、それが正解だと感じます

集合写真

みんなで撤収準備をして、最後に記念写真を撮りました。

これがちゃんとした集合写真です。

最後は皆さんにふざけていただきました。

ひとり一人が自身と力をつけ合う

まずは相手の話を聞いてあげること。
そして、相手が自分の話をちゃんと聞いてくれていると感じてもらえること。
相手に対して自分の話や意見を一方的に述べていないだろうか?
(私自身には思い当たる節が沢山あります)

それは

簡単でもいいのだと思います。

うん、うん
なるほど~
そうだよね~

少しオーバーに感じるくらいに言葉や仕草で相槌を打つ。
これが相手の尊厳欲求を満たすことができるもっとも簡単な方法ではないだろうか?

自分がして欲しいことを相手にしてあげてる。それを済ましてから自分の思いや考えを伝えてる。
これは会社や家庭でも同じように言えることだと思いますし、長いVAD生活を乗り切るためには身に着けるべき力だと感じます。

それらの実践の場としてVAD交流会を使って貰えたら嬉しいですし、色んな人と話をすることで進むべき方向を再発見するきっかけになれたら幸いと思います。

※これまでオンラインでの交流会を避けていた理由の一つが、この重要な「相槌」を相手に伝えることが難しいと感じていたからです。
これから私自身が色々なことを学んでオンライン交流会を開催できるように力をつけたいと思います。

非公式二次会

私を含めた数人がルノアールへ吸い込まれていき、さらに色々なことをお話することができました。

交流会レポート記事

オンライン交流

  • 井戸バド会議
  • 井戸バド会議@覗き部屋 提供を終了しました
  • 補助人工心臓体験記.fan 提供を終了しました

この記事の著者

Satoru Ishii
この補助人工心臓体験記の運営者です。
僕は拡張型心筋症で2015年2月にエバハートを埋め込み、心臓移植待機者になりました。
僕もいつかはVADを卒業する日が訪れます。(訪れました)
僕が成し遂げたいことは後継者を作ることではなく「当事者が声を上げていいんだよ」という雰囲気作りです。
これから先も地道に発信していきます。

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  1. ●開催費用の内訳

    会場費:¥16,200
    資料印刷費:自己負担
    文具購入費:¥1,800
    ・ダイソー
     -紙皿×3セット、サインペン、ワッペン、アルコールティッシュ、模造紙、カード紙、クリップ
    ・Amazon
     -ポストイット
    ———————-
    合計¥18,000

    参加者一組あたりの費用¥1,800

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