補助人工心臓体験記

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【開催レポート】第三回 誰でもVAD交流会

イベント①「おすすめアイテムの紹介」

会話がヒートアップしてきたところでイベントを入れさせていただきました。
しかし、皆さんのパワーが凄すぎてなかなか会話をぶった切ることが出来ませんでした。

VAD生活を送られている方達におすすめアイテムを紹介いただきました。
皆さん、色々と工夫されていてなかなか勉強になりましたし、実演する人もいてなかなか面白かったです。

少しの雑談タイムを挟んで次のイベントを入れました。

イベント②「VADクイズ」

植込み型VADの手術ができる病院数はいくつある?

参加者それぞれに上記の用紙に回答いただきました。
VADに関わる医療従事者であればきっと満点ですよね?

これらの資料は日本臨床補助人工心臓研究会のサイトに掲載されている数字を基にして、私なりの視点でまとめたものです。
※あくまで私個人が集計したものなので、間違っていることもあるかも知れませんのでご注意ください。(データは当時のものです)

あなたは多いと思いますか?それとも少ないと思いますか?
私の感想としては「多いなぁ~」です。
※施設認定がされていたとしても実際にVADが扱われているかどうかは別の話です。施設認定だけでなくVADを取り扱うことのできる認定実施医や看護師、MEなどが整わなければ運用されません。

狙いは興味を引き付けること

この後に少々難しいことを話す予定でした。
そのためにはこのワークを通じて皆さんの興味を「VAD」に引き付けることが必要でした。

そのために馴染みがあるランキング形式で用意したわけです。このワークにおいては正解・不正解は関係ないんですよね。

どこにVAD施設があるのか?

参加者の皆様には日本全国の実施施設の一覧を配布しましたが、各人がこの施設情報を覚えていただきたいという訳ではありません。

補助人工心臓体験記を初めてから気づいたことがあります。それは「VAD装着者や介助者同士のコミュニケーション」の重要性です。

当事者間のコミュニケーションの重要性は身をもって経験している最中です。日本中にVAD施設があったとしても施設毎のVAD患者数はそう多くはないでしょう。
そもそも、VAD患者数自体が少ないのに自病院の患者とのコミュニケートすることしかできないのはいかがなものと感じていました。

生活環境は人それぞれ、しかし病院毎ではたかが知れている人数の生活環境しか知り得ることができません。
また、入院していればそれすらも限られます。

仕事、学業、育児、お金、恋人、友人、結婚、昇進、介護など、VAD装着をするということはそれらとの向き合い方を変化せざるを得ない。
それが正直なところではないでしょうか?

自分一人で何とかしていくのも良いかと思いますが、大変なこともあります。先人の知恵があるのなら分かち合う、そうすることでもっと楽に、もっと遠いところまで歩めるのではないだろうか?

心臓移植が必要な方が置かれている状況

私がこの交流会へかける想いをお話させてください。

速く行きたいなら、一人で行きなさい。
遠くへ行きたいなら、みんなで行きなさい

これは世界食糧計画のシーラン事務局長がアフリカの食糧援助の必要性を語った際に使ったアフリカのことわざです。私はこの言葉を大事にしています。
皆さん、目を閉じて想像してみてください。


今、会場はアフリカのサバンナへと瞬間移動しました。
遠くにはライオンやハイエナなどの野生動物が見えます。
周りには食料はなく、水もない、身を隠す岩や大きな木もありません。

そのような場所へ留まりたくはないですよね?
安全な場所へ移動したいですよね?

一人なら速く進めますが、体力や知恵には限界がありますよね。
サバンナのど真ん中で眠ったらいつ野生動物に襲われるかもしれません、寝ずに移動を続けることはできませんよね。

二人いれば見張りを交代して休息をとることもできます。
遠くへ行きたいのなら皆で知恵や力を出し合って移動したほうが合理的ですよね。

一人の100歩より、100人の1歩ずつ

それが大切だと思います。
日本の心臓移植待機者はまさにサバンナの地へ一人すっ飛ばされた状況に近いと言えます。
知恵や力を出し合う仲間と出会えない状況を何とかしたいという想いで、交流会の開催を続けております。

とある交流会での挨拶より

現在のVAD患者が置かれた状況がこの資料です。
※一覧を地図にしました

この「VADクイズ」では我々が置かれた現状とコミュニティーの重要性を理解いただきたかったのです。
また、今回は入院中の方がテレビ電話で参加していただけました。それはとても意義があるものだと感じました。
※課題があることが分かったので、これから検討を重ねたいと思います。

この記事の著者

Satoru Ishii
この補助人工心臓体験記の運営者です。
僕は拡張型心筋症で2015年2月にエバハートを埋め込み、心臓移植待機者になりました。
僕もいつかはVADを卒業する日が訪れます。(訪れました)
僕が成し遂げたいことは後継者を作ることではなく「当事者が声を上げていいんだよ」という雰囲気作りです。
これから先も地道に発信していきます。

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  1. ●開催費用の内訳

    会場費:¥16,200
    資料印刷費:自己負担
    文具購入費:¥1,800
    ・ダイソー
     -紙皿×3セット、サインペン、ワッペン、アルコールティッシュ、模造紙、カード紙、クリップ
    ・Amazon
     -ポストイット
    ———————-
    合計¥18,000

    参加者一組あたりの費用¥1,800

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