補助人工心臓体験記

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背後から「補助人工心臓」と読み上げられた出来事

背後から「補助人工心臓」と読み上げられた出来事

長くなった髪をバッサリと切るために埼玉県の新所沢へ行ってきました。
散髪がメインの用事ではありませんでしたが、色々な出来事があったので書き残してみたい。

この記事は2018/9/11(VAD装着1,307日目)のリライト記事です

お荷物お預かりします

VADを植え込んだ人であれば一度は体験するであろう「お荷物お預かりします」という半ば儀式のようなやり取りを済ませて着座する。

いつもなら「これくらいの長さにしてください」と伝えるだけなのだが、今回は事前にFacebookで「髪型」を募っていたのでアレコレと注文しちゃいました。

お店を出てから自撮りしてFacebookへ投稿したのですが、完全に目が逝っちゃっている人になっていました。
その写真をもとに画伯がイラストを描いたので、そちらをイメージ画像として貼り付けておきます。

イシイサトルのイメージ画像
イシイサトルのイメージ画像

素敵なイラストを作成いただきありがとうございました!

ドラッグストアでVADステッカーを音読される

ワイヤー抜去手術を受けて日が浅いので、今はVADコントローラーをリュックスタイルで持ち歩いていました。

3年前の写真です

近くのマツモトキヨシで整髪料を手に取りレジの順番待ちをしていたのですが、そこである出来事が起きた。

ほじょじんこうしんぞう?

背後から声がするのです。
半身ほど振り返るとお年を召した男性が「それどういうものなのかい?」と話しかけてきた。
そりゃそうですよね、気になりますよね。

あ、これ医療機器です

私がそう答えると男性はこう返してきた。

へ~~
心臓を助けているんだ
どれくらいの重さなの?

次の瞬間、妙に背中が軽くなった。
男性はVADコントローラーの下に手を当て、重さを確かめていたのだ。

重いね~!
昔の携帯電話くらいあるんじゃないの?

男性はVADに興味津々のようだ。
男性とはレジの順番がくるまで世間話をしていた。

昔の携帯電話というのはおそらくショルダーホンのことだろうか?
確かにバッグの色は黒いし、カールコードじゃないけどドライブラインという線が伸びている。

こんなやり取りは日本でも滅多にないんじゃないのかな?

どっちが重い?VADコントローラーvsショルダーホン

ショルダーホンの形状と重さはNTTドコモ歴史展示スクエア「ショルダーホン」を参照してほしい。

私に埋め込まれているエヴァハートのコントローラー単体はショルダーフォンと似たような重さだが、バッグに入っている予備バッテリー1本とバックアップコントローラーなどを含めるとエヴァハートの方が圧倒的に重い。

ジャービックなら同じような重さかな?ドライブラインもカールコードだし。

VAD生活を分かりやすくイメージしてもらうにはショルダーフォンを例にすると分かりやすいのかも知れない。
新たな気付きを提供してくれた男性に感謝です。


ショルダーホンを肩にかけ
絶対にコードを引っ掛けず
一度もバッテリーを絶やさない

買い物に行く時も
仕事をする時も
リビングでくつろぐ時も
料理を作る時も
料理を運ぶ時も
料理を食べる時も
食器を洗う時も
うんちをする時も
入浴する時も
子どもの相手をする時も
考え事をする時も
寝る時も

その生活を3年、5年、あるいはそれ以上続ける。


そんな例え話を使えば、VADを埋め込んでいる方の気持ちを少しは想像できるのかも知れませんね。

この記事の著者

Satoru Ishii
この補助人工心臓体験記の運営者です。
僕は拡張型心筋症で2015年2月にエバハートを埋め込み、心臓移植待機者になりました。
僕もいつかはVADを卒業する日が訪れます。(訪れました)
僕が成し遂げたいことは後継者を作ることではなく「当事者が声を上げていいんだよ」という雰囲気作りです。
これから先も地道に発信していきます。

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