この記事は2018年9月8日(VAD装着1,302日目)のリライト記事です
2018年9月6日に発生した北海道胆振地方中東部を震源とした平成30年北海道胆振東部地震。詳しい被災状況が続々とニュースで届けられていますが、これを機会に災害時の備えを見直してはいかがだろうか?
備えあれば憂えなし?VAD患者が備えること
補助人工心臓(VAD)を装着して電気の力を借りて生きていますが、退院時までに行った災害対策があれば、退院後の生活で追加していった対策もあります。
北海道で発生した大地震機会に私も今一度備えを見直してみたいと思います。しかし、一口に災害といっても色々とあるのでそこから整理してみよう。
どのような災害が想定されているのかを把握しよう
貴方の生活している自宅、学校、職場などでどのような災害リスクがあるのか調べてみたことはありますか?一度は自治体で公開しているハザードマップを確認して欲しい。ハザードマップはわざわざ役所に行かなくてもインターネットで閲覧することもできます。
おススメは国土交通省が公開されているサイトです。お住まいの市区町村を指定すると公開されているハザードマップへのリンクが表示されます。
https://disaportal.gsi.go.jp/
ハザードマップを見て感じたことですが、意外と安全な場所って少ないもんです。いざという時におおよその浸水深が分からないと避難途中で「通れない」となるかも知れません。ハザードマップを見ることに時間はかからないし、損をすることはありません。この記事に出会ったことをきっかけに改めてハザードマップを見てはいかがでしょうか?
生活環境に見合った備え方を考えよう
今回の地震では北海道全域にて停電が発生しましたが、私の住んでいる東京で同じ規模の大地震に見舞われた場合はどうなるのか?例えば北海道と比べて東京都は人口密度がおおよそ100倍です。
しかし、東京は昼夜で人口が大きく変わる都市でもあり、その差は300万人以上と言われている。大地震が起きれば行き場を失った人たちで溢れかえり、物資も早々に枯渇します。
例えば東日本大震災の時でさえも東京の新宿ではこんな状況になりました。
- コンビニから一切の商品が消える
- 携帯電話が繋がらない
- 数少ない公衆電話に長蛇の列ができる
- 車道を通行中の車が全く動かないほどの大渋滞
- 駅周辺やバスロータリーには何千人という人(殺気めいた空気さえ漂う)
- 駅員に「いつ再開するんだ!」と怒号を投げかける者
- 業を煮やして数十キロの道のりを歩いて帰る者、それを止めようとする者
- 靴や自転車を買いに走るもの
- 会社にとどまり風雨を避け、非常食で食いつなぐ者
場所によって状況は異なるだろうが、想像して備える物・方法を考える必要があるのではないでしょうか?
電気を備える
乾電池を備えている人は多いだろう。貴方は何本の乾電池備えていますか?その種類は?
懐中電灯などは乾電池を利用できるものが多いですが、スマホなどの多くの小型な電子機器はUSBで電力を供給するものが多くありませんか?
そんな状況がある場合は乾電池と一緒に乾電池式のUSB充電器をストックしておくことも備えとして有効です。
備蓄の心得は「ローリングストック」
ローリングストックでは使った分を補充することで、日頃からどこに何をどれだけ備えているのか把握することが出来ます。その行動と意識こそが何よりの備えだと思います。
引用:内閣府 防災情報のページより
ポータブル電源で備える
最近はキャンプで使えるようなポータブル電源も安価になってきました。3Pコンセントを備えている1000Wくらいのポータブル電源 があれば色々シーンで役に立ちそうですね。
モバイルバッテリーで備える
モバイルバッテリーを持ち歩く方法もあります。日常生活でモバイルバッテリーを利用していれば、いざという時に役に立つこともあります。サバイバル時においてはスマホが使えるか否かでは大きな違いがあります、スマホは照明やブザー代わりに使うこともできます。
モバイルバッテリーを日々の生活に取り入れる習慣も災害対策につながるのかも知れませんね。
停電時の世界を楽しく味わえる映画「サバイバルファミリー」を見ておくことも一つの災害対策だと思います。
車で備える
自家用車をお持ちの方であれば車が立派な災害対策になります。車は風雨を防ぐことから暖をとったり、電力をも取り出せるマルチなエネルギー源です。
ただし、カーバッテリーは直流電流なので交流電流を使う家庭用電化製品は直接動作させることが出来ません。そこで直流(DC)を交流(AC)へ変換するカーインバーターが必要となります。
カーバッテリーは非力なもので、バッテリーそのものはあまり電気を蓄えていません。HVではないガソリン車のカーバッテリーはエンジンを掛ける際に使う電力であり、エンジンが始動したらその動力でオルタネーター(発電機)を回して電気を作っています。車のエアコンやライト、シガーソケットの電気もオルタネーターから得た電力を使っています。
車のエンジンを動かし続けるためは燃料が必要となりますが、ガソリンを自宅で保管・管理することはなかなか容易なことではありません。日頃からガソリンを満タンにしておくことも難しいと思いますが、カーインバーターの車載、エンプティ―ランプがつく前に余裕をもって給油することも災害対策の一つの形かもしれませんね。
下記動画ではカーインバーターを通してVADを動かしています。
水を備える
水と言っても飲み水からトイレで使う生活水など多種多様々です。大人一人、一日に2~3Lの飲料水が必要と言われていますが、トイレ・歯磨き・食事の片づけで3Lほどの生活用水も必要で、大人2人だけでも一日に10Lは必要になる計算です。
お高い値段の長期保存可能な水を買ってもよいですが、先ほどご紹介したローリングストックの考えでペットボトルの水を定期的に使い、買い足すことで備える方法がおススメです。
ウォーターサーバー でその役割を兼ねることもできます。手押しポンプの井戸があれば、生活用水は確保できます。水の備えは貴方の生活環境にあわせて柔軟にストックできます。また、他の備えと比較しても敷居が低いでので、備えていない方は一度考えてみてはいかがでしょうか?
浴槽で備える
生活用水として浴槽に残り湯を貯えておくことも災害対策としては有効でしょう。浴槽でおおよそ200Lほどの生活用水を確保でき、トイレなどに利用することができます。
VAD装着者に限らず感染症などに対して抵抗力の落ちている方は衛生環境を保つためにも、最低限のうがい・手洗いは必須です。飲み水も多めに備蓄することをお勧めします。
水の使用量を減らす備え
水をストックするという以外にも使用量を減らす方法があります。つまり、水を何かに代替して備える方法です。
例えば清拭料もその一つです。このような品を使うことで水の使用量を大幅に減らすことができ、最低限の衛生面を保つことも可能です。清拭料以外にも水が不要なドライシャンプなどもあります。
洗口液を使って水の使用量を減らすこともできますね、こちらも災害対策としてストックするのではなく日頃から使うことで災害時にも活用することが出来ます。最近では液体歯磨きも安価に購入できるようになりましたので、そちらを一本備えておくのもよいのかも知れませんね。
火を備える
我が家はオール電化ではなくガスを利用しています。都市ガスではなくプロパンガスのため、広域災害時でもエネルギーを取り出すことができます。(ガス停止時の復旧操作は必要です)
たこ焼きパーティーや鍋パーティーを開くときに利用するカセットコンロやカセットボンベをストックしておくことも立派な備えの一つでしょう。炎はエネルギーの塊です、湯を沸かすにもエネルギーが必要です。温かい食べ物へありつけることは災害時こそ重要な要素の一つだと思います。
灯油などの燃料で備えることもできますが、我が家ではプロパンガスがあることから灯油のストックはしていません。私の実家では昔はFF式ストーブを使っていて屋外には大きな灯油タンクが備わっていました、今は既に撤去されています。
災害は自然現象だけではない
災害は自然災害だけではなく、人災で起こることもあります。例えば東日本大震災などは記憶に新しい事と思います。また、施設の老朽化に伴って断水や停電が起こることもあります。私が住む東京でも地下送電線の火災で大規模な停電が起こりました。東京近郊では冬に水道管が凍りつき、破裂したことで断水したお宅が続出したニュースも記憶に新しいことと思います。
すべての災害を想定しベストな備えをすることにはコスト的に難しいですが、ハザードマップから起こり得る被災状況を考えてベターな備えをすることは可能と思います。備えの再確認とともに、いざという時の連絡方法や避難先も家族内で確認してみてはいかがでしょうか。
貴方の災害対策を共有ください
貴方が実践している災害対策があれば、コメント欄にて共有ください。
地元の病院ではVAD患者を受け入れ不可らしく電源をどうするか?と色々考えました。結果、少し離れてる大学病院に連絡、入院する事になりそうです。そこまで行くのが難しい可能性があるけど(´・ω・`)
スマホの電源はストックしてるので何とか行けそうかと思います。
やはり、VADの電池が問題です。
確かに自身だとそもそも移動不可能な可能性もありますよね・・・
先日の地震もあって少し不安だったりします。